近年、どんどん人気が上昇中の埼玉県の私立小学校ですが、特に入試が難しいと言われているのが開智小学校総合部です。
2022年9月23日に第一回目の入試が終了し、11月には第二回の入試が終了しましたが、その結果を基に、来年度に繋がる開智小学校総合部の傾向と対策を今一度考えてまとめてみました。
尚、本記事では第一回の入試内容と第二回の入試内容を細かく見ていきたいと思います。
来年度以降に、開智小学校総合部を受験されるご家庭は、是非参考にしてください。
開智小学校(総合部)入試問題の傾向と対策は?
開智小学校(総合部)の入試問題の傾向についてですが、毎年かなり独特な対策が必要な入試問題となっています。
毎年、開智小学校(総合部)ではペーパーA・ペーパーBと2種類が存在し、受験生によってはペーパーAのみを解き、はたまた受験生によってはペーパーA・ペーパーBと両方を解くこととなっています。
開智小学校(総合部)のペーパーAは基本的にはきちんと考えたらできる内容ばかりです。
しかし、第1問目は易しい問題であっても問題数が進むにつれて同じ解き方の問題であっても、かなり難しい内容となり解いている受験生本人が、こんがらがってしまう内容を出題してきます。
落ち着いて考えれば解けるのですが、1問に対して何個も答えを導き出さなければならない問題が多いです。
一方で、ペーパーBでは理数的な思考を問う問題構成となっており、非常に難しい内容となっています。
ペーパーAよりも、法則を覚えて尚且つ自分で考えて応用していく力が必要となり、法則がわからなければ全て点数が取れなくなる試験です。
また、どちらのテストを受けるのかについては、開智小学校と他に併願校がある併願制度を利用している受験生の場合はペーパーAとなっています。
単願制度を利用する受験生の場合は、ペーパーA・ペーパーBのどちらも受けることになります。
スポンサーリンク
開智小学校(総合部)2023年度の第1回入試内容は?
開智小学校(総合部)の2023年度の入試内容は、難易度が上がったように感じました。それぞれ細かく見ていきます。
ペーパーA
まず、ペーパーAでは観覧車問題になっています。
観覧車といっても、よく問題集で解くような観覧車問題ではなく、観覧車の中に空欄箇所がいくつかあり、観覧車全体で「しりとり」を完成させる内容となっています。
右隣には、各空欄にあてはまる答えを選ぶ箇所がありこちらに〇を付けていく流れだと思います。
こちらのしりとり問題は、全部で6問出題されていますが1問につき、空欄箇所が複数存在するため、回答を導き出す数はなんと20問です・・・
物の名前がわからなければ、100%解くことができない試験なので、語彙力が試されているとも言えます。
季節の風物詩である物の名前や、植物の名前・動物の名前辺りは完璧にわかるようにしておかなければなりません。
またペーパーAでは、しりとりの他に「点図形」が出題されました。
こちらも、単なる点図形ではなく見本と逆に点図形を書いていくという、いわゆる鏡点図形の内容でした。
点図形問題は、全部で12問あり難易度が高い試験です。
最初の1問目は、簡単な点図形から始まり2問目以降から徐々に難易度が上がっているものとなりました。
最終問題に行くにつれて、かなり複雑な線が多く一瞬でも集中力を切らせば、どこに線を引いたら良いか見失う内容でした。
最後は、山と果物・動物の絵がありました。
こちらは、どんな問題であるのか発問を聞かなければわからないため、内容までは掴むことができませんでした。
ペーパーB
ペーパーBでは、オセロのようなマス目にバケツが書かれていました。
それぞれ規則・法則が指定されておりその内容を全て頭に入れて導き出す問題であると思います。
それ以外にも、〇を記入していく場面もあり幼児がとくにはあまりにも複雑な内容となっています。
他にも、ペーパーBでは小学校で習うような確率に似た問題が出題されていました。
発問を聞いて、組み合わせを自ら考えて回答を導き出す内容であると推測できます。
運動
運動考査では、サーキット形式で出題されました。
サーキット順番は以下です。
①忍者潜り(腹ばいになりながらゴム紐の下を潜る)
②大縄(先生が縄を回しており8回連続で跳ぶ)
③ドリブルシュート(両手で5回ドリブルを行い籠にシュートする)
④平均台(平均台に様々な障害物があり、進んでいく)
1つの項目にも、それぞれ指示が含まれており忘れずにクリアしなければなりません。
中々、ハードルが高い試験内容に思います。
また、この運動試験で見られているのは運動能力の他に、受験者の順番が来るまでの待っている態度です。
この待っている間に、隣や後ろに並んでいる他の子どもたちと騒いだり、遊んだりしてしまうと、せっかく他で評価を得ていても台無しになってしまいます。
行動観察
伝言ゲームを行いました。
2チームに分けて各チーム「伝える側」「作る人」に分かれます。
作る人は、伝える人に質問などはでき写真通りの物を、早く作れたチームが勝ちという内容です。
作業
今年の開智小学校の作業(巧緻性)では、テーマが決められました。
今年のテーマは、「小学校に通うときに、一緒に連れて行きたい想像上の生き物とそれをしまうかばんを作る」というテーマでした。
画用紙・折り紙・お手拭きが用意されており、他には各家庭で準備をしたのり・はさみ・クレヨンを使って製作しました。
指示が3つ出ておりましたのでまとめます。
①かばんの絵を描く |
②生き物の絵をかき、画用紙に貼る |
③片付け |
スポンサーリンク
開智小学校(総合部)2023年度の第2回入試内容は?
開智小学校(総合部)の2023年度の入試内容は、第一回と同様に中々難しい内容が出題されていました。
ペーパーA
開智小学校(総合部)の第二回入試ペーパーAでは、ゲームのような内容が出題されていました。
第二回入試の試験用紙を開くと、顔がいくつも書かれているページがあり、顔と同じ方向に向いている指に〇を付けていく問題の様です。
簡単に言うと、あっち向いてホイの同じ方向に指を指すバージョンです。
正直、この問題用紙にある顔の中にはややわかりにくい向きをした顔も含まれています。
この辺りは、こどもが想像しながら判断しなければならない内容であったのではないでしょうか。
また、開智小学校(総合部)の第二回入試ペーパーAでは、先ほどの内容の他にそれぞれの職業に使うものと、働く場所を線でつなぐ問題も出題されました。
現代の子どもたちはあまり見る機会のない「切手」「パペット」「担架」など、中々難しい物も含まれており難易度はやや高かったと思います。
そして、第二回入試ペーパーAで最も難しいであろう内容が最後に登場しました。
最後のページにある問題では、簡単に言うと頭の体操です。
右手は順番に「グー・チョキ・パー」と開き左手は順番に「1・2・3・4・5」と変えていきます。
左右、同時に開いたときに右手がグーのときに左手は1。
右手がチョキのときに左手は2。
右手がパーのときに左手は3。といった感じです。
問題文には、左手と右手だけがかかれており、それを見てその次の数を考えるようになっています。
かなり、頭がパニックになりえる内容であり尚且つその中で、「次になる手の形」を考えることはかなり難しいです。
ペーパーB
ペーパーでは、規則性を問う内容となりました。
問題文には虫を例えて読み上げられたのですが、問題用紙には四角・けしごむ・丸など(他にもたくさんの絵)が描かれているのみです。
コチラの問題では、問題文に出てきた虫がどの絵(記号)となって表れているのかを、よく考えていく必要がある為中々難易度は高かったと思います。
開智小学校(総合部)の第二回入試ペーパーBの次の問題では、またもや規則性が出題されました。
第二回入試のペーパーBも、第一回入試と同様にかなり難しい内容となっています。
詳しい発問文や、入試のテストは実際に開智小学校(総合部)の説明会などに参加をすると購入することができるので、是非一度手に取ってみてください。
スポンサーリンク
開智小学校(総合部)合格するには?
開智小学校(総合部)に合格をするには、いくつかポイントがあると思います。
まず、「好きなことに没頭する力」です。
これは、小学校受験に全く関係なさそうにも思いますが、開智小学校(総合部)を受験するにはとても大切な要素です。
というのも、開智小学校(総合部)では公式で「楽しい入試」を目標にしていると宣言しています。
その言葉通り、開智小学校(総合部)では自己発信という科目を作り、開智小学校(総合部)を第一志望とする生徒の得意な物・好きな物を発表する試験があります。
自己発信では、運動・文科系・勉強面等の内容でなくとも、好きな遊び・指先を使うものなどでも可とされています。
とにかく、子どもが好きでずっと磨いてきたことを評価するテストです。
自己発信で、受験者の中で上位10%に入れば、その時点で開智小学校(総合部)に合格ができるので、かなりやりがいのあるテストだと思います。
他には、日々の生活態度・生活習慣を整えることが合格するための要素だと考えています。
開智小学校(総合部)のテストは、はっきり言うと難しいです。
実際に開智小学校(総合部)の説明会に行くと、「ペーパーテストBで、5割~6割正解できる子どもはいない。」と学校側も、断言していました。
つまり、ペーパーテストであればペーパーAではある程度点数が取れる内容ということもあり、学校側もとにかく項目を増やして子どもたちの得意な部分を評価したいという姿勢が出ていると感じます。
そうなると、受験の準備をしてきた子どもたちはほぼ同じくらいの出来になってくることが予想できるため、その他で差を付けなければなりません。
他の部分というのは、生活態度・生活習慣です。
開智小学校(総合部)では、面接の試験もあるため、あいさつ・話を聞く態度などは特に他の受験者と差をつけやすいと思います。
他の私立小学校でも、このあたりはかなりポイントになってくるのですが、開智小学校(総合部)では特にプラスの印象を残せるはずです。
なんといっても、とにかく入学後に一人で発表する機会が、他の私立小学校よりもはるかに多い開智小学校(総合部)なので、大きい声でハキハキした態度が出来る子どもは、学校の生徒像に合うと思われるでしょう。
スポンサーリンク
開智小学校(総合部)系列校について
開智小学校(総合部)には、いくつもの系列校が存在します。
小学校から大学までを持つ大きい学校法人であるため、様々な特徴を持った系列校が多いです。
以下に、開智小学校(総合部)の系列校をまとめました。
開智小学校(総合部) | 開智高等学校(高等部) |
開智中学・高等学校(一貫部) | 開智高等学校通信制課程 |
開智未来中学・高等学校 | 開智望小学校・中等教育学校 |
開智日本橋学園中学・高等学校 | 開智国際大学 |
開智国際日本語学校 | 開智所沢小学校・中等教育学校 |
開智小学校(総合部)の系列校として、小学校は3校持っています。
実際の教育の方法(異学年学級等)のやり方こそはほとんど同じものの、主体としている教育カリキュラムが大きく異なります。
開智望小学校・開智所沢小学校(2024年開校)では、英語に重きを置いたカリキュラムとなり、国際バカロレア認定校という魅力があります。
開智望小学校と開智小学校(総合部)では、受験するテスト内容も全く異なる内容となっています。
また、開智所沢小学校を受験する場合には現段階では、開智望小学校に近いような問題を出題するとの内容が公表されています。
また、2024年に入学するご家庭(現在年中・新年長)で開智所沢小学校を受験する場合には、2023年11月ではまだ校舎が完成していない時期ということもあり、受験会場が遠くになる可能性があるかと思います。
開智望小学校が開校したときには、開智望小学校の受験者は開智小学校(総合部)の校舎まで来て受験をしたので、開智所沢小学校の受験時にも、そのようなことになる可能性が考えられると思います。
小学校以外にも、開智中学・高等学校では総合部と一貫部と高等部と存在しています。
総合部というのは、開智小学校から中学校2年生までずっと開智に通っている生徒が在籍しています。
一貫部は、中学受験を行って開智中学・高等学校に入学をしてきた生徒が在籍しているクラスで、この2つは中学校3年生の時期から1つになります。
簡単に言うと、総合部が一貫部に合流をするということのようです。
一方で、高等部というのは高校受験で開智高等学校に進学をしてきた生徒が在籍しています。
同じ、開智といっても大きく教育内容・カリキュラムも変わって来るので、どの時期から開智学園に在籍するかは大切だと思います。
スポンサーリンク
開智小学校(総合部)2023年度入試まとめ
開智小学校(総合部)は、毎年どんどん人気度が高くなってきています。
2023年度入試だけでなく、毎年第一回目に行われる第一志望の入試は、特に入学しやすい条件となるので、確実に開智小学校(総合部)を狙っている場合、一回目の試験から受験することをおススメします。
また、2023年度の入試・結果などをみてから、ペーパーBなどこどもが「できない」ものを、頑張らせて過酷な入試対策を行わせるよりも、出来ることを伸ばして、確実に点数につなげられたご家庭が合格にたどり着いたように思いました。
ペーパーだけにこだわらず、幼少期にしかできない体験をたくさん積ませて、好きなことを伸ばすということを実践してみると良いかと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
実際に願書に書く前に、基本的な願書の書き方も参考にしてくださいね。
- のんびり屋さんのおひとよし、忘れっぽく幼いタイプ
- 理解が早く、おしゃべりでしっかり者だが、生意気なタイプ
- こだわりが強く、あまり主張しないネガティブ思考タイプ
- 行動が俊敏で活発、怒られても平気で落ち着きがないタイプ
- 神経質で大人しく、直ぐに周囲に溶け込めないデリケートタイプ
偏差値37から難関校へ合格したお受験経験ブログはこちらからどうぞ